蒸発器内の冷媒は入熱により液相から気相に変化しますが、相変化中(飽和状態)の圧力と温度は一定になります。しかし圧力が同じでも、冷媒が気体だけになると、気体の温度は上昇します。冷媒温度が飽和温度より上昇した状態を過熱といい、この時の温度差を過熱度といいます。
凝縮器内の冷媒は放熱により気相から液相に変化しますが、相変化中(飽和状態)の圧力と温度は一定になります。しかし圧力が同じでも、冷媒が液体だけになると、液体の温度は下降します。冷媒温度が飽和温度より下降した状態を過冷却といい、この時の温度差を過冷却度といいます。冷媒液過冷却で冷凍機の運転効率が良くなります。
水を冷却していくと0℃で凍るが、ごくゆっくりと温度を下げていくと0℃以下の低温の水ができ、その状態を過冷却水といいます。過冷却水に、何らかの刺激(振動等)を加えると急速に結晶化します。瓶に入っていれば、叩いただけでみるみる凍結します。この性質を利用して、効率的に製氷するシステムもあります。
全く水分を含まない空気を乾き空気(乾燥空気)といいます。窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウムなどにより構成されています。これに対して通常の空気は、乾き空気と水蒸気の混合気体であって、湿り空気といいます。
O2 | N2 | CO2 | Ar | |
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容積 tl | 0.2095 | 0.7809 | 0.0003 | 0.0093 |
一般の温度計で測った空気の温度のことをいいます。乾球(dry bulb)の頭文字をとって、℃DBと表します。
送風機を組み込んだ空調機などにおいて、空気が機器の出口(=ダクトの入り口)で保有する静圧のことです。
ダクトに風を送ると空気抵抗による圧力損失が生じます。この圧力損失以上の圧力で送風しないと必要な風量は流れません。機外静圧はダクトの圧力損失以上としておく必要があります。
モータを静止状態から起動させる時、定格回転数になるまでの時間に通常の定格電流の数倍の電流が流れます。これを起動電流といいます。インバータで起動する場合は常に定格電流以下となり、起動電流は流れません。
空調機内の熱交換器、フィルタ等の構成機器および流路などで生じる抵抗の合計で、空気が通過する空調機全体の空気抵抗のことをいいます。
構成機器や配管からの漏洩の有無とその個所を調べることをいいます。高圧ガス保安法では、圧縮機、圧力容器などの構成機器ごとに組み立てた状態で行う気密試験と、冷媒配管工事が完了した冷媒設備全体で行う気密試験があります。試験には窒素ガス等の安全な気体を使用して規定の圧力で実施します。
装置の容量制御のことをいいます。例えば大型往復動圧縮機に使われるアンローダ、電磁弁により冷媒をバイパスさせる方法等があります。
防振及び設置時の芯ずれを逃がすため、空調機とダクトの継ぎ目に入れる伸縮性の継手をいいます。キャンバス(帆布)がよく使われていたので、この名前が付いています。
配管、ダクト等の曲部、分岐部、拡大部、縮小部などを流体が通過する際に発生する圧力損失をいいます。
大気圧を基準(ゼロ)とする相対的な圧力で、通常の圧力計にて読みとる圧力です。絶対圧力との混同を避けるため、単位記号の後ろに(G)を付けて表記することが多い。
ゲージ圧力 MPa(G)=絶対圧力MPa―0.10133MPa
物体の状態を変えずに温度を変化させるための熱です。
全熱量に対する顕熱量の割合をいいます。SHF(Sensible Heat Factor)で表します。
顕熱比=顕熱量/全熱量(顕熱量+潜熱量)
室内への気流で人体に対し不快な冷感を与える気流のことをいいます。
熱交換器を通過する空気の内、熱交換器と完全に接触する空気をコンタクト空気といい、全通過空気との風量の割合をコンタクトファクタといいます。