Airflex
地域密着型で中小施設の設計施工を多く手がける空調設備会社のY社。地元の学習塾チェーンから「授業ごとに人数や席配置が変わり、教室内の温度ムラが課題」という相談を受けた。塾の学習環境を支える空調として、快適性・省エネ性・衛生面のバランスを取れる製品を探し始めた。
学習塾の教室は、授業内容や出席人数によって環境が大きく変わるため、毎回同じ条件で空調を効かせることが難しい状況でした。エアコンの風が当たる席に座る生徒は冷えすぎて集中しづらく、風が当たらない席では十分に涼しくならないケースも見られるなど、教室全体の快適性が安定しないことが授業運営にも影響していました。
Y社は複数メーカーの標準機を比較し、風向調整やオプションの追加などを試みましたが、いずれも根本的な改善にはつながりません。高機能機を追加すればコスト増が避けられず、1台で快適性と衛生性を両立できる製品が見つからないまま、費用対効果と快適性のバランスに課題が残っていました。
加えて、近年の衛生意識の高まりから、空気中の雑菌やカビ対策について、きちんと説明できるかも重要なテーマとなっていました。保護者からも空調機で空気を清潔に保てるのかという質問が多く寄せられ、客観的な根拠をもって説明できる製品の必要性があったのです。
設計・施工管理担当のD氏は次のように語ります。
「風の当たり方だけでなく衛生面まで含めて安心して使える空調を探していましたが、なかなか見つかりません。授業ごとに席配置や人数が変わる場面を想像すると、従来の機器では運用が追いつかないと感じていました」
社内でも有効な打ち手が見つからず、従来の延長では改善できないという感触が強まっていきました。別の方向から空調を見直す必要があると考えざるを得ない段階に入っていたのです。
D氏はウェブで情報収集を進める中、三菱重工サーマルシステムズの「AirFlex(エアフレックス)」に着目します。風を直接人に当てずに空間全体を均一に冷暖房できる点に可能性を感じ、三菱重工冷熱の営業担当へ相談することにしました。
営業担当者は早速現場調査を行い、Y社とともに設置位置や気流の検討を開始。気流シミュレーションツールを活用し、教室全体で風が分散する様子や、直接風が発生しにくい配置を可視化したことで、D氏も施主も具体的にイメージを持つことができました。
「AirFlexは4方向の吹出しをそれぞれ独立設定できるため、授業人数や座席変更があってもリモコン操作だけで調整が可能でした。運用面での負担が少なく、授業のたびに細かな風向調整に時間を取られない点が評価できますね」(D氏)
さらに、UV-C LEDやドレンパン抗菌剤を標準搭載していることで、空気を清潔に保つ仕組みも明確に説明できます。衛生面における根拠を示しやすく、保護者への説明にも活用できる点は施主の安心につながりました。
また、九州大学との共同研究に基づき、直接風よりも間接風の方が快適性を高め、集中しやすい環境づくりに寄与するという脳科学的データが示されていたことが大きな後押しとなります。科学的根拠を備えた提案として学習塾側にも評価され、最終的にAirFlexの採用が決まりました。
快・不快の回答- 間接風の方が顔の表⾯温度が⾼く(温熱環境)、体感温度・快適感が⾼く(主観評価)、心理時間が⻑い= 負の感情を抑制する(心理応答)
左前頭部ガンマ波- 「冷房時の快適さと、ガンマ波とベータ波の振幅の低下」を初めて明確に関連付けることができた(図はガンマ波の振幅)
施工は限られた工期内で滞りなく完了し、導入後は、風当たりに関するクレームが減少。空間全体を均一に空調できるため、設置台数を増やさずに快適性を維持でき、電力消費・保守費用を含めたライフサイクルコストの最適化にもつながりました。
「学習環境づくりに、風の質がこれほど関わるとは考えていませんでした。AirFlexは、性能面と説明のしやすさの両方で納得できる選択でした」(D氏)
現在、Y社では美容室から施術中の風当たりを改善したいという相談も受けており、学習塾での導入実績を踏まえたAirFlexの提案を進めています。