わが国の気候は、梅雨期や夏期はたいへん高温多湿です。
ものが湿ったり乾いたりするのは、多孔質な物質が多く、その温湿度条件によって、含水率が平衡するまで湿ったり乾いたりするからです。
関係湿度が60%以上なると錆が急速に発生したり、70%を超えるとカビの成長が促進されたりします。このように、湿った空気は製品に種々の影響を与えます。
適正に調湿された空気は、生産性の向上や品質管理のため、近代産業に欠かせない条件となっています。
一般空調条件下においては、除湿効率と経済性の面から冷却式除湿方法が最もすぐれているとされています。
これは、吸収式や吸着式の除湿方法では、薬剤や乾燥剤の再生のため蒸気ヒーターや電気ヒーターが使われ、多大な再生熱エネルギーが必要となるからです。さらに、処理空気の吹出空気温度を制御するためには、また別の冷凍機やヒーターが必要となります。
冷却式除湿方法によるREシリーズ除湿装置は、冷凍機により処理空気を冷却除湿し、再生熱源としてその冷凍機の圧縮熱を利用して、吹出空気温度を制御します。
更にRE除湿装置は、熱回収装置の採用により、40%(当社比)のランニングコストを節減しました。又従来冷却式除湿方法では不可能とされていた-20℃露点の空気も、RE除湿装置は、容易に得る事が出来、しかも、長時間連続運転可能な効率の良い除湿装置です。
空気を冷却していくと、ある温度で空気中の水分が水蒸気として存在できなくなって飽和状態となり、ついには露を結びはじめる点があります。この温度を露点温度といいます。
空気を冷却すればするほど空気中に含まれる水分量は少なくなり、低露点温度の空気が得られます。RE除湿装置は、この原理を応用した冷却式除湿システムです。
(RE除湿システムの省エネシステムを図-1.「処理空気の流れ」、図-2.「空気線図」によって説明します。)
処理空気aは、熱回収装置のエコ・クーラーにより、b点まで予冷されます。さらに、冷却器によって、露点温度c点まで冷却されます。これを絶対湿度の変化から見ると、Xa-Xeだけ除湿されたことになります。
cの空気は、熱回収装置のエコ・ヒーターによりdまで加熱され、さらに冷凍機のホットガスを熱源とする再熱器によってfまで加熱され、そして除湿装置の吹出空気温度gとなります。
a-b間とc-d間には、熱回収装置としてエコ・クーラー、エコ・ヒーターが配置され、冷温熱のヒートバランスを維持しています。この結果、総熱量は本来A+Bが必要となりますが、冷凍機による冷却熱量はBだけですむことになります。また、冷凍機のホットガスがDだけ加熱源に利用されるため、AとDを合わせた分だけ省エネとなります。
RE除湿システムは、このように冷凍機を加熱器としても利用することにより、省エネ効果を大きなものにします。