「冷風を直接身体に当たらないようにしたい」
「場所によって、冷えるところと冷えないところがある(風が届かない)」
「暖房の風が顔に当たって不快」
などなど、数あるご要望の中でも特に多かったのが、
「エアコンの風を直接身体に当てたくない」
というドラフト感に関するものでした。
フルモデルチェンジを、お客様のご要望を最大限反映する絶好の機会と捉える。
当社では製品を開発する際、自らの発想を形にするだけでなく、日頃、お客様から頂くご指摘、ご要望を製品に反映するよう心掛けています。 今回、お客様から頂いていた中で最も多かったご要望が「ドラフトを感じないようにして欲しい」でした。
商品構想時に浮上した「既存の風向調整板」。
ドラフト感を解消する製品として、当社は、風向調整板をオプションで取り扱っています。風向調整板は、吹出口の直下に取り付けて風の方向を変更する羽根状の製品です。
風向調整板は、ドラフト感を防止する効果は優れていますが、取付け・取外しに手間が掛かることと、後付けタイプなのでどうしても見栄えが良くありませんでした。
それからです。
全てに満足がいく製品を世に送り出すための葛藤が始まりました。
社内でのプロジェクト検討会はもちろん、通勤時の電車の中、トイレの中、食事中、週末のオフ時も常に「ドラフト感」と戦っていました。
基本構造、外観、ドラフト回避性能、耐久性、施工性、使い易さ。どうしたら形になるのか???と。そしてAirFlexの基本的な構造が浮かんだのは意外にも『入浴中の湯船でした』。それまで凝り固まっていた思考が、湯船に浸かったことにより開放された結果でした。
吹出し風の遮断性、見た目の圧迫感の解消、不使用時の格納性等、優れた機能性とデザイン性を融合させた逸品にしたい。
まず、基本構造を検討します。ドラフトを感じないように吹出し風を遮り、圧迫感がなく、使用しないときは収納できるような大きさ・形状・構造を実現しなければなりませんでした。また、収納するにはAirFlexを可動しなければなりません。
これらを念頭に、AirFlexの効果をより発揮させるため、数案のAirFlex構造を立案しました。
ドラフトを感じない形状・構造、パネルの高さ低減に伴う強度確保、確実なAirFlex収納、露が付かない構造・制御、加工性・組立性を考慮した形状・構造など、苦労した点を挙げたら数知れません。
製造的な問題もありました。試作では問題なく加工・組立てができ、据付け・試験をしても問題なかった形状・構造が、量産工法での加工・組立てが難しい部品もありました。机上検討時では思いもしなかった問題に、次々と量産前に突き当たりました。これらの問題の一つ一つを、製造部門との協力で解決し、量産でも問題ない仕様に仕上げました。
全てのお客様に喜んでいただくために。
構造が良くても使い勝手が悪い機能であれば意味がありません。実際に使ってもらうお客様の気持ちになってAirFlexを作りました。 「温風は感じたいけど冷風は感じたくない」、「風を感じたくない」、エアコンの風に関する好みはお客様により異なります。 様々なニーズに対応するため、当社の4方向独立ルーバ制御(フリーフロー)に追従するだけではなく、各吹出口、さらには、冷房・暖房など運転モードごとにAirFlex機能を選択することを可能にしました。
全てのお客様に喜んでいただくために。
ドラフト感を抑える機能をスマートに空調機に搭載しました。フリーフローと同様に吹出口ごとにAirFlexのON/OFFを設定できます。 事務所だけでなく、レストランや喫茶店などの店舗にもご利用頂けたらうれしいです。また、人感センサもさりげなく空調機に盛り込んで高いデザイン性を実現しました。 たくさんの場所で、たくさんのお客様に満足いただけると、とても嬉しいです。