人に直接風を当てないAirFlex。
間接風による快適さは、脳科学的に証明されています。
当社と九州大学の共同研究で、AirFlexによる風向設定が部屋の中にいる人の周囲の温熱環境だけではなく、その人の主観評価、心理応答、生理応答のそれぞれにも同時に影響を与えることを脳科学によって明らかにしました。
人の顔付近に風が当たりやすい「直接風」と風が当たりにくい「間接風」の2種類の風向設定を、AirFlexを用いて切り替えて実験
快・不快の回答- 間接風の方が顔の表⾯温度が⾼く（温熱環境）、体感温度・快適感が⾼く（主観評価）、心理時間が⻑い= 負の感情を抑制する（心理応答）
左前頭部ガンマ波- 「冷房時の快適さと、ガンマ波とベータ波の振幅の低下」を初めて明確に関連付けることができた（図はガンマ波の振幅）
九州大学 基幹教育院
自然科学理論系部門
准教授・博士（工学）
岡本 剛 先生
出展論：PLOS ONE
冷房環境の異なる風向条件での生理学的な快
適性評価と主観的な快適性評価
Physiological
and subjective comfort
evaluation under
different airflow
directions in a
cooling environment
掲載図・グラフ ©︎ 2021 Tamura et al . ( https://doi.org/10.1371/journal.pone.0249235 ) CC BY 4.0 ( https : // creativecom mons.org/licenses/by/4.0/ )をもとに作成
当社では製品を開発する際、自らの発想を形にするだけでなく、日ごろ、お客様から頂くご指摘、ご要望を製品に反映するよう心がけています。
お客様から頂いていた中で最も多かったご要望が「エアコンの風が直接当たらないようにしてほしい」でした。
風向きを変更する製品として、当社は風向調整板をオプションで取り扱っています。
風向調整板は、吹出口の直下に取り付けて風の方向を変更する羽根状の製品です。
人に直接当たり不快感を与える気流＝「ドラフト感」を防止する効果は優れていますが、取付け・取外しに手間がかかることと、後付けタイプのため見栄えが良くありませんでした。
まず、基本構造を検討します。
吹出し風を遮り、圧迫感がなく、使用しないときは収納できるような大きさ・形状・構造を実現しなければなりませんでした。
また、収納するにはAirFlexを可動しなければなりません。
これらを念頭に、AirFlexの効果をより発揮させるため、数案のAirFlex構造を立案しました。
風向きを変更する形状・構造、パネルの高さ低減に伴う強度確保、確実なAirFlex収納、露が付かない構造・制御、加工性・組立性を考慮した形状・構造など、苦労した点を挙げたら数知れません。
製造的な問題もありました。
試作では問題なく加工・組立てができ、据付・試験をしても問題なかった形状・構造が、量産工法での加工・組立てが難しい部品もありました。
机上検討時では思いもしなかった問題に、次々と量産前に突き当たりました。
これらの問題の1つ1つを、製造部門との協力で解決し、量産でも問題ない仕様に仕上げました。
構造が良くても使い勝手が悪い機能であれば意味がありません。
実際に使ってもらうお客様の気持ちになってAirFlexを作りました。「温風は感じたいけど冷風は感じたくない」、「風を感じたくない」、エアコンの風に関する好みはお客様により異なります。
様々なニーズに対応するため、当社の4方向独立ルーバー制御（フリーフロー）に追従するだけではなく、各吹出口、さらには冷房・暖房など運転モードごとにAirFlex機能を選択することを可能にしました。
「ドラフト感」を抑える機能をスマートに空調機に搭載しました。フリーフローと同様に吹出口ごとにAirFlexのON/OFFを設定できます。
事務所だけでなく、飲食店や美容室などの店舗にもご利用いただけたら嬉しいです。
また、人感センサもさりげなく空調機に盛り込んで省エネ性と快適性を実現しました。たくさんの場所で、たくさんのお客様に満足いただけると、とても嬉しいです。
