サンアイ株式会社は、親子2代で経営されている歯科技工士の工房です。歯科技工士というのは歯科医院からの入れ歯の型と材質・仕様などのデータを受け取り、それに基づいて義歯を作るお仕事。患者さんと直接接することはありませんが、資格が必要な職人さんのお仕事です。
今回伺ったサンアイ株式会社では、息子さんの今西龍一様が、仕事でよく使う細いバーナーの穂先に風の当たらないエアコンがないものかと、ネットで探され、AirFlexのエクシードハイパーをこの冬から導入されています。
「これに決めるまで、雑誌やネットでいろいろ調べました」と、同社2代目の今西龍一様。AirFlexを備えたエクシードハイパーにした決め手は2つ。
作業場の隅々まで風がゆきわたることと、さらに重要だったのは作業で使う小さなバーナーの炎に風が当たらないことでした。
「小さなバーナーで素材を温め、軟化させて整形していく神経を使う作業があり、風が少しでも当たるとその炎が揺れて作業効率が落ちてしまいます。風が当らなければ炎のゆらぎがなくなって作業に集中できるというわけです。炎に当てて蝋を軟化させたり、金属の工具を温めてそれで整形するのですが、炎がわずかでも揺れると、狙ったところにピンポイントで炎が当たらない。でも、嬉しかったのは、AirFlexは、スッと炎が真っ直ぐ立つんです」(今西部長様)。
「昨年までは、作業デスクのそれぞれの足元に電熱ヒーターを置いていましたが、AirFlexのお陰でそれも必要なくなりました。作業デスクで仕事をしていると、今までは足元が冷えて困っていましたが、今は、壁面・床面・足元にくまなく暖気がゆきわたるので、設定温度が低くても、周りから包み込むように温めてくれるのがいいですね。」(今西部長様)。
取材で伺った時、設定温度は24度。それほど高くないのに今西様は半袖でごく薄着。「冬にこんなに薄着で身軽に作業できるのは嬉しい。」
AirFlexの暖かさには死角がないので、どの加工機械に移動しても寒さに偏りが無いんです。」(今西部長様)。
寒いと感じると、細かな作業では肩や指先が硬くなってしまう。ましてや厚着していてはなおさら。室内温度を気にせず年中半袖で作業でき、作業効率も格段に向上しました。
「寒いと体が動かないし、暑いとダレてしまう。これから夏を迎えますが、どんなに快適か楽しみです」(今西部長様)。
上図は冷房時のAirFlexのドラフト回避効果を視覚的に確認できるようサーモグラフ解析したものです。吹出し風の方向と、室内空間の熱負荷の影響で吸い込み口付近の温度が上昇していることが読み取れるよう色合いを強調しています。
入れ歯の製作に使う素材の削りカスの粉塵は、足元から太いパイプが手元に伸びている集塵機で吸い取られます。これまではエアコンの風が切削機器の手元に当たると粉塵が飛ばされていました。
義歯はオーダーメイドなので納品時にはたくさんの伝票が用意されますが、以前使っていたエアコンでは、机の上の書類が全部風で飛ばされてしまったこともしばしばだったとか。
「AirFlexにしてからは、そうした風の事故もありません。それに父がいつも作業している席では後頭部に直接風が当たって、それがストレスだとこぼしていましたが、今はそれもなく快適だそうです。風があたらない空調というものの素晴らしさをみんな実感しています」(今西部長様)。