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三菱重工サーマルシステムズ
納入事例 低GWP冷媒R32採用 高効率ビル用マルチエアコン「ハイパーマルチ LXZ」

納入事例 低GWP冷媒R32採用 高効率ビル用マルチエアコン「ハイパーマルチ LXZ」|環境性と快適性を両立した空調設備の実現

気候変動による記録的な猛暑と、改正労働安全衛生規則の施行により、暑熱対策の需要が急増中。各企業における安全管理の体制も問われる中で、三菱重工コンプレッサ株式会社ではビル用マルチエアコン『ハイパーマルチ LXZ』を設置。導入の背景と導入後の工場内の改善状況について、現場の声を聞いた。

1|三菱重工コンプレッサ株式会社の事業内容・生産体制

コンプレッサと駆動機を世界へ

三菱重工コンプレッサ株式会社は、石油化学プラントや天然ガス関連設備等で使われる大型コンプレッサと、その動力源となる蒸気タービン等の駆動機を製造しています。機器の設計・製造から、納入後の点検や修理といったアフターサービスまでを一貫して担い、製品の98%を海外へ供給しています。

今回インタビューにお答えいただいた三菱重工コンプレッサ株式会社の皆様

経営統括センター企画グループ第1チーム
石井上席主任チーム統括

経営統括センター企画グループ第1チーム
合田主任

今回、空調設備を導入した工場で行われているのは、各工程で製作された部品をコンプレッサへと組み立てる最終工程です。7900㎡の巨大な建屋では、組み立てに加え、部品同士の隙間を細かく測定する作業も行われています。大規模な機械を扱う広い空間でありながら、現場では高い精度が求められるため、作業者が集中力を保てる環境づくりが欠かせません。

その工場で夏場の作業環境を悪化させていたのが、壁や屋根から伝わる輻射熱と、機械や部品を搬出入する際に大きな扉から流れ込む高温の外気です。ファンやスポットクーラーを置いても、冷やせるのは風が届く周辺のみ。暑さによる作業者の身体的な負担だけでなく、集中力の低下による安全性や品質への影響も懸念され、工場の空調化を検討することになりました。

2|空調設備導入の背景と経緯

検証と他工場の調査から見えた本格空調の必要性

同社が工場の空調化を本格的に検討し始めたのは2024年のことです。夏場には工場内の気温が35〜36℃に達することもあり、まずは大型スポットクーラーを試験的に設置し、局所的な冷房による温度変化を測定しました。しかし、そこで明らかになったのは、温度を下げられるのは機器周辺に限られ、広い作業エリアの環境を変えるには不十分という課題です。

「検証の結果、低下幅は最大でも2℃ほどでした。部分的に冷やすだけではやはり限界があり、本格的な空調が必要だと判断しました」(三菱重工コンプレッサ株式会社生産センター組立・試運転課 課長 芦刈宣文さん)

その後、熱中症対策に関する他社との情報交換をきっかけに、より有効な冷却方法の調査を開始しました。すでに空調設備を導入している別の工場を訪れ、床置形や天吊形等、設備ごとの冷房効果を確認。加えて、作業スペースへの影響やメンテナンス性も比較しました。

こうした大型スポットクーラーの検証結果と他工場で得た情報をもとに、建屋全体ではなく、作業エリアに絞ったゾーン空調を採用する方針が固まりました。

3|現場担当者様インタビュー

「夏は耐えるしかなかった」現場を支えた声かけと体調管理

本格空調の導入前、同社では空調服や水冷ベスト等、暑熱対策用の装備を作業者に配布していました。しかし、身体を直接冷やすだけでは工場内の厳しい暑さそのものを解消することはできず、現場では常に作業者の体調に目を配りながら作業を進めていました。

三菱重工コンプレッサ株式会社生産センター組立・試運転課設備管理係 山下正俊さんは、当時の対応について振り返ります。

「調子が悪くなった場合には、すぐに申し出るよう声をかけていました。作業者同士でも体調を確認しながら、水分補給や空調の効いた部屋での休憩も欠かさず行うように徹底していました」

大型コンプレッサの組み立てでは、わずかな寸法の差を確認しながらの調整が続きます。暑さが作業へ及ぼす影響について、三菱重工コンプレッサ株式会社生産センター組立・試運転課設備管理係 係長 西田雅晴さんは次のように語ります。

「過酷な環境では集中力を保ち続けることが難しく、安全面や品質面を考えても改善が必要だと感じていました。ケガや作業ミスにもつながらないよう、細心の注意を払っていました」

現場からは、夏場の対策を更に強化してほしいという要望も挙がっていました。しかし、どのような対策を講じても工場内の暑さは変わらず、「この時期は耐えるしかない」という諦めに近い感覚も広がっていたといいます。

4|『ハイパーマルチ LXZ』導入の流れ

天吊形とエアー搬送ファンで実現したゾーン空調

そこで導入されたのが、大規模建物にも優れた効果を発揮する、R32冷媒採用のビル用マルチエアコン「ハイパーマルチ LXZ」です。治具や設備が数多く並ぶ工場で、床面を占有しない天吊形を採用できることが、選定の決め手となりました。

空調する範囲は建屋全体ではなく、実際に人が作業する床上約4メートルまでに限定。工場の両端に計60台を配置し、各機の上部には「エアー搬送ファン」が併設されています。冷気を工場の中央部まで送り、広い作業エリアに行き渡らせるための工夫です。

また、天吊形だけでは補えない場所には、床置形の設備用エアコンも設置。建屋の仕様や作業動線に合わせた、オーダーメイドと言える空調設計を行うことで、スペースを確保しながら必要な範囲を効率よく冷やしています。

約4カ月の工期中、施工側が設計や機器の発注、工事の段取りを進める一方、工場では通常の作業を続ける必要がありました。そのため、設備担当者と施工側が週1回の打ち合わせを行い、工事の進め方や作業エリアのすり合わせを重ねました。

「作業内容や移動が必要な荷物を確認し、それを踏まえて工事エリアを調整しました。双方が情報を共有したことで、安全に設置を進めることができたと感じています」(三菱重工交通・建設エンジニアリング株式会社 エンジニアリング事業部 中四国建設統括部 中四国建設工事部 設備グループ 主席技師 林広樹さん)

5|導入後の変化

「もう以前には戻れない」現場が実感した空調の効果

空調設備導入後の工場内は、暑さが厳しい日でも28℃ほどを保てるようになり、湿度の低下とともに作業中の負担は大きく軽減されました。試運転時には、空調服の中に冷風が入って「寒いくらい」と話す作業者もいたほどです。以前は暑さをしのぐために開けていた扉も、現在は作業者が率先して閉めるようになり、精密機械に影響する砂ぼこりの侵入も抑えられています。

「体感としては最高です。現場では『以前の環境にはもう戻れない』と話しています」(山下さん)

大規模工場の空調化では、建屋の断熱性能を確認したうえで、実際に作業する範囲を見極めることが重要です。必要なエリアを限定して冷やすことで、無駄な空調を避けながら暑熱対策を進めることができます。併せて、通常の製造を止めることなく工事を進めるには、工場側と施工側の連携も欠かせません。

「設置後の点検等、サポートについても問題なく対応していただいています」(芦刈さん)

今回の成果を受け、ほかの工場からの見学もある等、同様の方式を検討する動きが始まっています。

6|納入機器明細

三菱重工サーマルシステムズ製

  • 低GWP冷媒R32採用 高効率ビル用マルチエアコン「ハイパーマルチ LXZ」
     室外機27系統 室内機:天吊形60台 床置形9台

三菱電機製

  • エアー搬送ファン:60台

7|設計・施工

三菱重工交通・建設エンジニアリング株式会社 エンジニアリング事業部 中四国建設統括部
三菱重工冷熱株式会社 空調事業本部 中四国支店

ご紹介した製品情報詳細は下記のページからご覧ください。

三菱重工コンプレッサ株式会社

住所:広島市西区観音新町四丁目6番22号

https://www.mhi.com/jp/group/mco/

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